当直表づくりで最も揉めやすいのが「公平性」です。ルール違反さえなければ良い表ができた、 というわけではなく、当直を割り当てられる側が「納得できるか」が運用を左右します。 この記事では、なぜ不公平感が生まれるのか、公平性をどう測ればよいか、実務でどう運用すれば 揉めにくいかを整理します。
なぜ不公平感が生まれるのか
当直表を組む人に悪意があるわけではないのに不満が出るのは、多くの場合「測り方」が 曖昧なまま感覚で判断しているからです。代表的な原因は次の4つです。
- 数える基準が人によって違う(当月だけ見る人と、なんとなく記憶で判断する人が混在する)
- 土日祝の当直が特定の人に偏っていても、平日と同じ1回として数えてしまう
- 先月・先々月までの偏りを引きずったまま、今月だけリセットして均等に組もうとする
- 立場(部長・中堅・専攻医など)による負担の違いを、誰も明文化していない
「自分の方が明らかに多い」という不満の多くは、実際の回数差よりも「基準が説明されていない」 ことへの不信感が原因です。数字を可視化するだけで、不満の半分は解消できます。
公平性をどう測るか
単純な当直回数だけでなく、次のような観点を組み合わせて見ることをおすすめします。
| 単純回数 | 今月の当直・日直・オンコールそれぞれの回数。最も基本的な指標ですが、これだけでは不十分です。 |
| 土日祝加重 | 土日祝の当直は平日より負担が重いと感じる人が多いため、別枠で回数を管理すると納得感が上がります。 |
| 累積回数 | 直近数ヶ月〜半年単位で見た合計回数。今月だけ均等でも、累積で偏っていれば不満は解消しません。 |
| 立場別の基準 | 部長・中堅・専攻医などで、そもそも目標回数を変えるかどうか。変えるなら基準を全員に開示しておきます。 |
実務での運用のコツ
① 基準を先に決めて開示する
「今月は単純回数で均等にする」「土日祝は月1回までに抑える」など、判断基準を先に決めて 医師側にも共有しておくと、結果に差が出ても納得感が保てます。
② 累積で管理する
月ごとにリセットせず、直近数ヶ月の累積を見ながら「今月は先月多かった人を優先的に減らす」 という調整をすると、長期的な偏りが解消されます。
③ 数字を見せる
「今月は◯回、累積では◯回」という数字を医師側にも見える形にしておくと、 不満が出たときに感覚論ではなく数字で会話できます。
当直シフトナビでは、割当の最適化アルゴリズムが土日祝の加重・累積回数を自動的に考慮した 上で候補を生成します。医師別の累積統計もダッシュボードでいつでも確認でき、 「基準を決めて開示する」「累積で管理する」「数字を見せる」の3点を、 別途集計作業をせずに実現できます。
立場による基準の違いをどう扱うか
指導医と若手で当直の負担配分を変えたい科は多くあります。この場合、「部長は月2回まで」 「専攻医は月6回まで」のように、医師ごとに上限回数を個別設定できるようにしておくと、 単純な均等割りでは対応できないケースにも柔軟に対応できます。当直とオンコールで 上限を別々に設定できるようにしておくと、さらに細かい調整が可能になります。
公平性は「完全に均等」を目指すものではなく、「その病院なりの基準に沿って運用されている」 ことが医師側に伝わっている状態を指します。基準そのものは科によって様々で構いません。