働き方改革

宿直手当・当直手当はいくら?国家公務員の額と、宿日直許可の最低額(1人1日平均額の3分の1)の計算方法

宿直手当・当直手当の額を考えるための公的な参考値として国家公務員の宿日直手当の額(医師の当直1回22,500円など)を紹介し、宿日直許可を受けるための手当の最低額の計算方法を、労働局の様式と計算例で解説します。

公開日 2026年10月13日

この記事は、宿直手当・当直手当の額を考えるときの公的な目安と、宿日直許可の手当の最低額の計算のしかたを、法令と行政機関の資料をもとに紹介するものです。計算例の数字は説明のための仮のものです。自院の手当額が基準を満たすかどうか、どの賃金を計算に含めるかは、必ず顧問社会保険労務士や所轄の労働基準監督署にご確認ください。

「宿直手当の相場はいくらか」は、当直表を組む担当者や事務部門からよく出る疑問です。

ただ、民間の病院の宿直手当の額をまとめた公的な統計は見当たりませんでした。そこでこの記事では、公的な資料で確かめられる2つの参考、病院における国家公務員の宿日直手当の額と、宿日直許可を受けるための手当の最低額の計算方法を紹介します。

この記事のポイント

  • 民間の宿直手当の額をまとめた公的な統計は見当たらないため、公的な資料で確かめられる2つの参考を紹介します
  • 国家公務員の宿日直手当は、医師の当直1回22,500円、薬剤師・技師などの当直1回6,400円(2026年10月時点)
  • 宿日直許可の手当の最低額は、同種の労働者の1人1日平均額の3分の1以上(宿直・日直の1回ごと)
  • 宿日直許可を受けていない当直は労働時間として扱い、割増賃金が必要です

まず確認:宿日直許可を受けているかどうかで、払い方が変わる

宿直手当(宿日直手当)の話は、労働基準監督署の宿日直許可を受けた宿直・日直についてのものです。許可を受けていない当直は、通常の労働時間として扱われます。

宿日直許可を得ずに行う宿日直は通常の労働時間として取扱う必要があります。
許可を得た宿日直業務中に通常の労働が発生した場合には、労働時間として取扱うことが必要です。
厚生労働省「医療機関の皆様へ(宿日直許可制度の御紹介)」より

宿日直許可を受けた宿直・日直

宿日直手当を支払う(最低額は、同種の労働者の1人1日平均額の3分の1以上)。宿直中に通常の業務をした時間は、手当とは別に賃金が必要。

宿日直許可を受けていない当直

労働時間として扱い、法定の労働時間を超える部分・法定休日の部分・午後10時〜午前5時の部分には、労働基準法第37条にもとづく割増賃金が必要。

許可を受けていない当直の時間は労働時間として扱い、法定の労働時間を超える部分・法定休日の部分・午後10時〜午前5時の部分には、労働基準法第37条にもとづく割増賃金(通常の労働時間の賃金をもとに計算)が必要です。法定の計算額に満たない定額の当直手当で済ませることはできません。

当直が労働時間になるかどうかの全体像は当直とは?の記事で解説しています。

1参考1:国家公務員の宿日直手当(2026年10月時点)

国家公務員の宿日直手当は、一般職の職員の給与に関する法律第19条の2が上限を定め、実際の額を人事院規則九―一五が定めています。病院での当直にかかわる額は次のとおりです(勤務1回あたり)。

入院患者の病状の急変等に対処するための医師又は歯科医師の当直勤務

22,500円

看護業務の管理・監督のための看護師長等の当直勤務、薬剤師・診療放射線技師・臨床検査技師などの当直勤務、救急の外来患者・入院患者に関する緊急の事務処理等のための当直勤務

6,400円

人事院の定めるものは7,700円

庁舎・設備の保全や外部との連絡などのための一般の宿日直

4,700円

こんなとき額
勤務時間が5時間未満の場合上の額の100分の50
半日勤務の日の退庁時から引き続いて行う宿直上の額の100分の150

これらの額は令和7年12月24日に公布された改正によるもので、令和7年4月1日から適用されています。

この額に合わせればよい、というものではありません

これは一般職の国家公務員に適用される額で、民間の相場を示すものではなく、民間の病院がこの額に合わせなければならない決まりもありません。

また、給与の高い職種では、宿日直許可の基準による最低額(次の項目)がこの額を上回ることがあります。手当の額は、必ず自院の賃金で計算してください。

なお、人事院の令和8年8月の給与勧告の資料では、宿日直手当についても「所要の改定」を行うとされており、今後変わる可能性があります。

2参考2:宿日直許可の手当の最低額は「1人1日平均額の3分の1以上」

宿日直許可の一般的な許可基準(昭和22年発基17号)は、手当の最低額を次のように定めています。

宿直勤務1回についての宿直手当又は日直勤務1回についての日直手当の最低額は、当該事業場において宿直又は日直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者に対して支払われている賃金の一人1日平均額の1/3以上であること。
厚生労働省「医療機関の皆様へ(宿日直許可制度の御紹介)」より

文言のとおり、最低額は宿直・日直の1回ごとに、宿直と日直それぞれについて考えます。

この基準の意味(許可を受けるための条件であること、非常勤の医師だけで回す場合の考え方など)は宿直手当の最低額の記事で解説しています。

「1人1日平均額」の計算方法

計算に使う様式は労働局ごとに異なりますが、考え方は共通しています。岩手労働局の資料では、次の式で示されています。

宿(日)直勤務総員数の1か月所定内賃金額合計/1か月所定労働日数×宿(日)直勤務総員数×3 ≦ 宿(日)直手当額
岩手労働局「断続的な宿直又は日直勤務の許可について」より

手順に分けると、次のようになります。

  1. 1
    宿直(日直)に就く予定の同種の労働者全員の、1か月の所定内賃金の合計を出す
  2. 2
    人数で割って、1人あたりの月額を出す
  3. 3
    1か月の所定労働日数で割って、1人1日あたりの額を出す
  4. 4
    3で割った額が、宿直(日直)1回あたりの手当の最低額になる

計算例(数字は仮のものです)

宿直に入る予定の医師が5人、5人の1か月の所定内賃金の合計が400万円、1か月の所定労働日数が20日の場合

400万円 ÷ 5人= 80万円1人あたりの月額

80万円 ÷ 20日= 4万円1人1日あたりの額

4万円 ÷ 3 = 13,333.33…円

→ 宿直手当は1回13,334円以上が必要

この場合、宿日直許可を受けるには、宿直手当が1回13,334円以上必要、という計算になります。

参考:福井労働局の記載例〈特別養護老人ホームの例〉では、計算結果が7,760.12円となる例について「宿直手当は 7,761 円以上である必要があります」としています。

計算に含める賃金・含めない賃金

厚生労働省のFAQでは、許可の申請に必要な書類の標準的な例として「対象労働者全員の給与一覧表(労働基準法第 37 条の割増賃金計算の基礎となる賃金)及び宿日直手当額計算書」が挙げられています。労働局の記載例では、次のように注記されています。

記載する賃金は通常の所定労働時間に支払われる賃金です(時間外・休日労働手当等の所定労働時間以外の賃金及び割増賃金の算定基礎に算入しない家族手当・通勤手当、賞与等は記載する必要はありません)。
福井労働局「宿直又は日直勤務手当の算定(記載例)」より

割増賃金の算定の基礎に算入しない賃金は、労働基準法施行規則第21条などで、次のように定められています。

家族手当通勤手当別居手当子女教育手当住宅手当臨時に支払われた賃金1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

また、岡山労働局の様式では、月給の人の所定労働日数は「1年間における1月平均所定労働日数」によるとされています。

  • 職種によって手当額を分けている場合は、職種ごとに計算する(福井労働局の記載例は「職種別に記載して下さい」としています)
  • 様式や細かな計算方法は労働局によって異なるため、所轄の労働基準監督署の様式と案内に従う

深夜の割増賃金との関係

宿日直許可で適用が除外されるのは、労働基準法の労働時間・休憩・休日に関する規定です。福井労働局の資料は、深夜業に関する規制は適用除外にならないとしています。

岩手労働局の資料も「深夜労働時間(午後10時から午前5時)に対しては2割5分以上割増賃金の支払いが必要です」としたうえで、手当の最低額については「宿直手当(深夜割増賃金を含む)」と書いています。

深夜の割増賃金を宿直手当に含めて支払う形にする場合は、就業規則などでその旨と額をはっきりさせ、許可の申請の際に監督署に確認してください。

宿直中に通常の業務をした時間は、手当とは別に賃金が必要

許可を受けた宿直中でも、突発的な事故による応急患者の診療など、通常の勤務時間と同じ態様の業務をすることがあります。厚生労働省のFAQは次のように説明しています。

許可を受けた宿日直中に「通常と同態様の業務」を行った場合は、その時間は労働基準法上の労働時間として取り扱う必要があり、宿日直手当とは別に本来の賃金(必要な割増賃金を含む)を支払う必要があります。
厚生労働省「医療機関の宿日直許可に関するFAQ」より

宿直手当の額を決めるときは、手当そのものに加えて、宿直中に働いた時間を記録し、別に賃金を支払える仕組みになっているかもあわせて確認しておきましょう。

手当額を決めるときの確認ポイント

  • その当直が宿日直許可を受けた勤務か(許可の範囲=診療科・職種・時間帯も含めて)
  • 宿直・日直それぞれの1回あたりの手当が、同種の労働者の1人1日平均額の3分の1以上か
  • 職種ごとに手当を分けている場合、職種ごとに計算しているか
  • 昇給などで賃金が上がったとき、最低額を計算し直しているか
  • 宿直中に通常の業務をした時間を記録し、手当とは別に賃金を支払っているか

メディクミでできること

メディクミでは、医師ごと・種別ごとの当直の回数(勤務表の予定にもとづく回数)を月単位で集計し、CSVでダウンロードできます。宿日直手当を計算するときの元データとして使えます。宿直中に実際に働いた時間は自動では入らないため、別に記録してください。

参考資料

この記事は、AIを活用して下書きを作成し、運営者(合同会社レジノバ)が内容を確認して公開しています。 法令などの内容は公開日・更新日の時点のものです。個別の事案についての判断を示すものではありません。 誤りにお気づきの際はお問い合わせからお知らせください。

メディクミとは

宿直・日直の回数を、医師ごとに月単位で集計できます

当直表を作ると、医師ごと・種別ごとの回数(勤務表の予定にもとづく回数)が月単位で集計されます。宿日直手当を計算するときの元データとして使えます。

  • 医師ごと・種別ごとの当直回数を月単位で一覧
  • 月ごとの統計はCSVで、累積の集計は印刷もできる
  • 種別ごとの拘束時間・休憩時間から、当直による時間外の目安を自動計算
  • 当直の間隔・月の上限回数を設定して自動で割り当て